(この文章は、このHPを開設した2012年当時に書いたものです。)
保育現場での相談支援(保育相談支援)の中で、多く見られるケースごとの相談対応のポイントを3つずつ
計 5 回 にまとめてご紹介したいと思います。
この「ポイント」は、現在まで ご相談をお受けしてきた中で、 現場で学び、対応して うまくいった
「メンタルヘルス機関」 としての独自の対応の「ノウハウ」です。
この「ノウハウ」は 現在、保育現場だけでなく、学校現場(スクールソーシャルワーカー)の方にもご紹介しています。
(保育相談支援やソーシャルワーク研修では より細かくお伝えしております。)
第1回目は、 まず 相談支援に入る前に 考えてもらいたい基本的なことをお伝えしたいと思います。(げんき)
「こんなときには どうしたら いいのですか?」 という質問が多いからだと思うのですが、
「こんなときには こう対処しましょう」と いった How(やり方)が書かれた本が 相談支援だけでなく、言葉がけも
含めて多くみられます。
もちろん、これは これで大事なのですが、、、やはりもっとも大切なのは Why(なぜ 相談支援が必要なのか)や、
What(なにを目的に 支援するのか)といった部分だと思っています。
まずは、そこの部分が曖昧だと、 結局は Howばかりの「雑学」になってしまいます。
ここでは、Why(なぜ必要なのか)と What(なにが目的なのか)を 先に明確にしてから
本編のHow(やり方)をご紹介したいと思います。
この4つのケースについて
相談をお受けした場合の支援方法についてのポイントを 3つずつご紹介します。
その前に
① Why(なぜ 必要なのか)
② What(なにが 目的なのか) を一言で まとめました。
この4つのケースは いずれも 同じ視点をもって 対応します。
保育園や幼稚園に通っている間に、保護者の抱えている問題が解決することが、この4つのケースについて言えば
とても『可能性としては低く』なります。
つまり、小学校に入っても不安や心配が継続することが 考えられるのが この4つのケースです。
実際に、小学校にスクールソーシャルワーカーとして入った経験からも、この4つの相談ケースは、保護者に確認
すると やはり保育園や幼稚園の頃から 不安や心配な状態であったとおっしゃる方がほとんどです。
保育園や幼稚園の頃の早い段階から「小学校」を見据えて、先を見通した視点での支援(今できること)ができれば
ずいぶんと 小学校時代の改善のスピードは早くなるのです。
この4つのケースは
保護者だけで解決したり、自分の中で抱え込んでしまうと 「保護者が壊れてしまいます」。
そのためには、 今抱えている問題は、「周囲と協力しながら一緒に乗り越えるもの」だということを早い段階で
伝えてあげる必要があるのです。
この時期に相談しなければ、これからますます「相談への壁」は高くなり、相談することへの抵抗感が強くなります。
将来にわたって、「相談した方がいいんだと思ってもらえること」が 最も大事なのです。
まず、この ≪なぜ 必要なのか≫ と ≪なにが目的なのか≫ を理解してもらった上で
次回からの本編の4回をお読み頂ければ 僕が伝えようとしている点が 少しでも みなさんに
お届けできるのではないかと 思っています。 (げんき)
では、第2回 「メンタル不調の保護者の支援」は、こちら