保育相談研修
(第1回)

保育相談支援研修

(この文章は、このHPを開設した2012年当時に書いたものです。)

いつもありがとうございます。岸本元気です。

 

このサイトで、これから5回にわたって、僕が「保育相談支援」や「保育ソーシャルワーク」

 の研修でお話させて頂いた内容を、ごく一部ではありますが、ご紹介したいと思います。

 

僕は、学校現場(小学校、中学校)で相談支援や保護者支援を行いながら、保育現場(保育所、幼稚園)での

 

相談支援や保護者支援も行ってきたのですが、そこで強く感じたことがあります。

 

それは 「保護者支援」には、一つの流れがあるということです。

 

 

まず、今回の第1回目は、この各段階での「保護者支援」の流れをご紹介したいと思います。

 

 

と、、その前に 相談支援を考える上で、大切な視点である「不安」をどう捉えるかという点を まずは 

 

お話ししたいと思います。

 

 

実は、「不安」にも「流れ」があります。 

 

 

僕は、メンタル不調に関する相談支援を本業としています。

 

その中で、たくさんの不安を抱えた方や不調を抱えた方の支援を行っているのですが、

 

「不安」には一つの流れがあると 感じています。

 

 

 

例えば、恋人同士を考えてみてください。 最初は、ラブラブです。そして いつも一緒です。

 

もちろん、この段階では、何の『不安』もありません。

 

でも、、、次第に 二人の間で、「違い」を感じはじめ、そこから『不安』が生まれます。

 

そして、その「違い」から、今度は 「離れてしまう」のではないかという『不安』が生まれます。

 

 

今度は、友達同士の例をあげてみます。 こどもの頃は、友達ともいつも一緒で、そんな

 

に変わりはありません。「同じ」です。 その段階では、『不安』を感じることもないでしょう。

 

でも、だんだん、自分と友達の間に「違い」を感じはじめます。 そしてその「違い」が大きくなると 

 

二人は離れていってしまいます。

 

 

恋人同士や友達の関係だけでなく、他にも経済的なことであったり、親子の関係であったり、

 

どんな不安にも この流れを見つけることができます。

 

 

「不安の流れ」  それは 実に シンプルなものです。

 

この流れが 「不安」の流れ です。

 

最初は、「同じ」なので、『不安』はありません。

 

でも、そこから「違い」に対しての『不安』が生まれ、その後、「離れ」に関しての『不安』が生まれます。

 

 

 これが 『不安』の流れ なのです。

 

 

『不安』は、「同じ」→「違い」→「離れ」という流れがあるのです。

 

 この流れを知ってもらった上で、「保護者支援」を考えてみたいと思います。

 

 

実は、保育相談支援や、学校での相談支援も、この流れに沿って行なっているのです。

 

 

保育現場での相談支援、小学校での相談支援、中学校での相談支援と上の図の『不安』の流れを組み合わせて

 

みると 下の図のようになります。

 

保育所や、幼稚園などの保育現場では、「同じ」

 

小学校では、「違い」

 

中学校では、「離れ」

 

 

これが、相談支援、特に保護者支援での「テーマ」なのです。

 

 

保育所や幼稚園での保護者支援のテーマは、「同じ」です。

 

保護者に対して、自分の子も他の子も「同じ」なのだという思いをたくさん抱いてもらうことが、

 

この時期の保護者支援の「柱」です。

 

ここでは、たくさんの「同じ」を体験してもらうこと、それを支援することが保護者支援の役割となります。

 

 

そして、小学校に入ると、こどもたちは、さらに成長し、様々なトラブルも生じます。

 

そこで、こどもたちは、自分と他者との「違い」を感じはじめます。

 

この「違い」を親にも子どもにも うまく体験してもらいながら、「違い」を受け止めていくための支援をするのが、

 

この小学校時期の保護者支援のテーマです。

 

 

そして、今度は、中学校になると、子どもも少しずつ、親から離れていく段階に入ります。

 

そこでは、「離れる」ことに対しての不安や問題が、親にも子にも現れてくる時期です。

 

そこで、その「離れ」を支援することが、中学校時代の保護者支援のテーマなのです。

 

 

保育所での保護者支援。小学校での保護者支援。中学校での保護者支援。

 

 

実は、バラバラの独立したものではなく、連続性をもっています。

 

それは、親と子が抱えるであろう『不安』の流れにそった支援を行うこと。

 

それこそが、各段階の相談支援や保護者支援で求められているもの なのです。(げんき)

 

 

 


 

次回、第2回は、園での行動で気になる点があったり、発達面で気になる子の保護者へ

どのように伝えたらよいかについて、ご紹介したいと思います。(げんき)

→第2回は、こちらからどうぞ