その167) 「思いやり」とは 「優しさ」ではなく 「想像力」なのです。

 

「保護者支援をするためには どういう部分に気をつけたらいいですか?」

 

ご質問のメールを頂きました。

 

 

 

僕は、保育相談支援や保育ソーシャルワークの研修で よくやるワークがあります。

 

 

それは 

 

「保護者がこどもたちを迎えに来て帰った後から、翌朝の登園までを想像する」

 

ワーク です。

 

 

お母さんが、夕方お迎えに来て、「さよなら。また明日」と手を振って別れた後

 

その親子が帰り道をどのように過ごして

 

家に帰ってから お母さんが料理をしている間、何をしているか

 

どんなお話をしているか

 

その後、テレビを観たり 遊んだり、お風呂に入って 寝るまで

 

 

そして、翌朝 お母さんは 何時くらいに起きて

 

その子は、起きたら どんなことを 話して どんな行動をとるか

 

朝、何を食べて、 準備に手間取って 朝は、何時くらいに家を出て

 

登園までの間、どんな話をして

 

そして 登園して 「おはよう」って挨拶する。

 

 

 

 

そこまでを 事細かに 想像します。

 

もちろん、これには 「答え」はないので 自由に想像します。

 

 

 

 

このワークをすると 2つのことが わかります。

 

 

①日頃 どのくらい その子のことを見ているのか

 

②保護者とこどもの関係、家庭での生活を どのくらい理解しているか

 

 

この2つ です。

 

 

 

 

こどもたち、 そして 保護者に対する 「思いやり」。

 

 

 

 

「思いやり」とは「優しさ」ではなく 

 

実は 「想像力」なのです。

 

 

 

保育者は、ほとんど みんな 「優しさ」を持っています。

 

人は みんな そうなのかもしれません。

 

 

 

それでも 「思いやり」がなく 見えてしまうのは

 

「相手の思い」を想像できなかったから なのです。

 

 

 

相手の思いや姿を想像することができれば

 

そこには 優しさや愛が 自然に生まれてきます。

 

 

 

 

「思いやり」とは 自然に生まれるもの。

 

 

そのためには 相手の姿を イメージすることが 必要なのです。

 

 

 

相手のことを事細かに知らなくても 大丈夫。

 

「温かい姿(シーン)」を想像するだけでいいのです。 (げんき)

 

 

 


このワークをすると「夕食」のメニューから、帰りに寄ったスーパーで、買った食材から買い物金額。

その子が買ったお菓子。レジ横の買ったものを入れる台の前に貼ってあったチラシ。

家のソファーの色や玄関の雰囲気など どんどんイメージが出来てきて 楽しいものです。(げんき)