ある先生が 先輩の先生に
『こんなときに どうしたらよいですか?』 と質問しました。
そして、先輩の先生が
「そのときには こうしたらいいですよ。」 と答えました。
一見、これは 質問に対して 答えているようですが、
その先生が、本当に求めている「答え」ではない。
そんな場合の方が多いようです。
数学や化学であれば 別ですが、
人の思いや行動というのは 「人それぞれ」だからです。
あるケースで
僕が うまくいった「やり方」を 他の先生にお伝えしたとしても
その通りの「結果」になることは 稀です。
逆に、他の先生が うまくいった「やり方」を
僕がやってみても うまくいかない場合もあります。
それは 「相手」も違えば 「状況」も違うからです。
コンサルテーションやスーパーバイズする際には
「こんな場合には こうやったらいい」 と 伝えることは ありません。
『こんなときに どうしたらいいですか』という質問には
まず、「自分がやってみよう」と考えたことを 「やってみること」です。
もちろん、それは「答え」ではありません。
それを「やってみる」ことで 現れた「結果」
じゃあ 次は「こうしてみよう」と考えたもの。
実は、これが 「答え」なのです。
「答え」とは すぐに出てくるものではなく、
2度目に出てきたものが 「答え」なのです。
答えは 頭の中の「次の次にあるもの」 なのです。
私がやってみたら こうなった。 それが「私」の答えであり、
あなたがやってみたら こうなった。 これが「あなた」の答えなのです。
こうやって その人なりの「答え」が集まることで
やってみる 『選択肢』が増えていくのです。
『実践』とは 「答え」を求めるプロセスではなく、
後輩のために やってみる『選択肢』を増やすための「チャレンジ」なのです。(げんき)
「失敗すること」や「うまくいかないこと」も、もちろんあります。
それも 新たな『選択肢』。貴重なものなのです。「失敗」を怖れると『選択肢』は増えません。(げんき)