メンタル不調時に起こる「不安感」
これは、通常の「不安感」とは 全く異なります。
「明日、試験か、、不安だなあ・・」
「明日は、月曜日か、 憂鬱だなあ・・」
「ちゃんと できるか 不安です・・」
そうした 誰も感じる「不安」とは 少し種類が異なるのです。
もし、同じ感覚を体験するとすれば
「ビルの屋上から下を覗き込んでみた感覚」だったり
「列車の通るホームのぎりぎりに立った」感じだったり
飛行機がトラブルになって、急降下したり
高所恐怖症の人が、バンジージャンプで飛び降りる寸前だったり
こんな「命の危険」を感じるような 「不安感」なのです。
ご相談者が 「不安で、不安で たまらないんです・・」とおっしゃった時には
その思いを こちらも感じた上で お話をしています。
相談者の「不安」がどの程度なのかを見極めるというよりも
常に、「自分が想像するよりも、もっと恐怖に近い状態なんだ。」
そう、理解しておくことが 大切です。
だから、相談の場面では、
「そんな不安は 誰でも経験しますよ」や、
「わかる、わかる、その気持ち」といった表現で 気持ちを伝えることは ありません。
そう伝えた瞬間に、相談者は、きっと
「この人には 多分 わからない」 そう、思ってしまいます。
もし、相談の場面で 相談者の「不安」な状態にであったとき
どのように 対応したらよいか。
それは「相談してくれたことに対する感謝」を伝える ことです。
「そんな辛い不安な気持ちを よく話してくれましたね。本当に ありがとうございます。」
「気持ちを教えてくださって、本当に感謝しています。ありがとう。」
必ず、「相談した」という「行動」について認めて、感謝をします。
そして、次がポイントなのですが、
「私は、○○さんのような方は、大好きです。」
「私は、○○さんのように勇気のある方を尊敬し、そんな方は大好きです。」
そうやって、必ず「愛情」を伝えます。
「行動」を評価し、「愛情」を伝える。
これは、精神保健の知識や経験がなくとも できる接し方です。
そうすると 相手には何が起こるのか、
「苦しい思いを伝えても 嫌われたりしないんだ・・」
「こんな自分でも 愛してくれているんだ。」
『不安』の中に 小さな小さな 「安心」が生まれるのです。
「愛情」というと 変に 照れくさくなったり、恥ずかしさを感じるかもしれませんが、
実は、「愛情」のちからは 強力なのです。
もし、空から落ちそうなくらいの「恐怖」と「不安」を持っていたとしたら
空の上から 落ちる身体を 引き上げてみせるくらいの
大きな「愛情」を 僕は いつも伝えています。(げんき)
僕は、これを「愛情のフックをかける」と呼んでいます。
こころが折れて落ちそうになっていたら、「愛情のフック」をかけて引っ張っています。(げんき)