その542)他の子との関わりを理解するための方法

 

 

保育者研修の中で、事前質問を頂きました。

 

「友だちとの関わり方がわからない。周りの状況がわからず、自分の視界に入ったものは自分の物。

例えば、他児が持っていたブロックが欲しいとブロックのみに目が行き、持っている友だちには気づかず取ってしまう状況になる。状況を伝え「かして」というなどの対応を繰り返し、その時は「わかった」というが、次に繋がらない。」

 

 

きっと、保育士の先生は 誰でも一度は 同じような経験があるのではないでしょうか。

 

 

 

あの子のおもちゃと 僕のおもちゃ。

 

あの子の物と 僕の物。

 

 

このことが理解できていないと 「かして」とは言えません。

 

 

 

もし、言えたとしても それは まるで 何かの合言葉のようなもので

 

その意味もわからずに こどもたちは ことばを口にしています。

 

 

「わかった」は  単なる お返事に過ぎないのです。

 

 

 

 

僕は、こうしたこどもたちへのセラピーの場面では、

 

 

自分の物と友達の物。

 

 

貸してという意味を教える前に

 

 

 

「山作り」をします。

 

 

 

「山作り」 または 「島作り」 です。

 

 

 

 

おもちゃを エリアごとに分けて 「あっちのおもちゃ」と「こっちのおもちゃ」の島を作ります。

 

 

 

そして、まず最初に 「あっち」と「こっち」を 理解してもらうのです。

 

 

 

 

あの子のおもちゃと僕のおもちゃを区別する前に、

 

あっちとこっちという空間を認識できる感覚を持たせること。

 

 

これが 「貸して」を教える前にやらなければならないこと です。

 

 

あっちとこっちが分かってはじめて、自分の物と友達の物が認識できるのです。

 

 

 

 

他の友達との関わり方を学ぶためには、3つのことが必要です。

 

 

①自他の区別

②場の区別(一緒と一人。一緒の時間と個人の時間)

③空間の区別(あっちとこっち、むこうとこっち)

 

 

この3つが理解できるようになると、友達に貸してと言えるし、集団行動が可能になります。

 

これが小学校生活までの課題 なのです。

 

 

まずは、この3つの練習に取り組んでみましょう。

 

 

 

「かして」を教える前に

 

「あっち」と「こっち」を教えること。

 

そして その後に 「いっしょ」と「ひとり」を教えること。

 

 

 

その先に 「そのおもちゃ かして」が あるのです。

 

 

 

来年の「気になる子の支援」の研修では たくさんのセラピーをお伝えしたいと

 

今から準備をしています。 (げんき)

 

 

 

 

 


 

 久しぶりの更新となりました。東京から帰ってから「航空中耳炎」で左耳が聞こえづらくなっていましたが、

 ようやく改善してきました。東京から戻った後も、面談がぎっしりと詰まっていたのですが、今日で今年も

 終了となります。明日からはスタッフの研修、そしてお休みに入ります。

 今年もたくさんの保育者の方との出会い、保護者のみなさん、こどもたちとの出会いがありました。

 本当にたくさんのご縁があった1年でした。みなさん ありがとうございました。

 

 また、来年もゆっくりペースですが、ブログを通じて、こどもたちへの支援、保護者の方への支援の方法を

 お伝えできたらと思っています。

 今日は、クリスマスですね。

  皆さんにとって、Happyなクリスマス。そして新しい年が素晴らしい1年となるよう願っています。

 

 今年も大変お世話になりました!本当にありがとうございました。また来年お会いしましょうね。

 よいお年をお迎えください。