その660)「感情労働」とは「出す仕事」ではなく、「抑える仕事」なのです。

 

 

 

 

「対人援助職」は、「感情労働」なので、表情豊かに伝える必要がある。

 

 

「笑顔」で「楽しく」「ホスピタリティ」を持って 元気に行いましょう。

 

 

 

 

「感情労働」という言葉から、こうした「イメージ」を描きがちです。

 

 

 

 

 

ただ、この「イメージ」からでは、「対人援助職」以外の「職種」

 

 

接客したり、人と関わることのない職業は、「感情労働」ではない。

 

 

そう 思われる可能性もあります。

 

 

 

 

 

「感情労働」

 

 

 

これは、「感情を出す」仕事 だけではなく、

 

「感情を抑える」仕事も 含まれます。

 

 

 

 

 

 

 

喜びを笑顔で表し、悲しみを表情で表すこと よりも

 

喜びを抑え、悲しみや怒りを抑える場面が 仕事の中にあれば

 

 

これも、やはり「感情労働」といえるのです。

 

 

 

 

 

そう考えると、 すべての仕事が「感情労働」といえます。

 

 

 

 

 

そもそも「感情」というのは、自然に出てくるものなので、

 

 

それを出すにしても、抑えるにしても 

 

コントロールするには、かなりのエネルギーが必要になります。

 

 

 

 

 

何も考えずに 思うままがに出せれば、本当は「楽」なのですが、

 

やはり、そこは「人対人」の関係。 そうもいかないのです。

 

 

 

 

 

 

「保育の場面」での こどもたちは、

 

「感情」を抑えるのではなく、「出す」のが「お仕事」になります。

 

 

 

そして、保育士の先生は、

 

「感情」を出すのではなく、「抑える」のが「お仕事」になります。

 

 

 

 

 

 

大人同士のトラブルやクレームなども 同じで、

 

 

「感情」を出す人がいて、「感情」を抑える人がいる。

 

 

この「アン・バランス」が、心身を疲れさせる原因になります。

 

やはり、「出す」人よりも「抑える」人の方が、疲れてしまうのです。

 

 

 

この「アン・バランス」は、どこかで必ず解消しなければなりません。

 

 

 

 

 

「職場」だけでなく、「家族」や「友人」のの中で、

 

 

感情をあまり表に出さない人、常に抑えている人は、必ず います。

 

 

 

 

そうした場合、周囲というのは、表に出さないということで

 

あまり気遣うことが少ないようですが、

 

本当は、一番 気遣わなければならないのは、この「抑えている人」なのです。

 

 

 

 

 

常に、「感情を抑えている人」はいないだろうか。

 

そう気遣えること、気に掛けることが 大切です。

 

 

 

 

 

「感度」の高い支援者は、一番最初に 抑えている人を見抜きます。

 

そして、会話の中から うまく「感情」を引き出していきます。

 

 

 

 

 

その場の「バランス」を整える働きが、「支援者」の役割であり、

 

常に相手の「感情」を引出し、自らは「抑える側」に回るのです。(げんき)