メールで、よく
「保育ソーシャルワーカーになるためには、どうしたらいいでしょうか?」
というご質問を頂きます。
「保育ソーシャルワーク」を学ぶ。研究することと、
「保育ソーシャルワーカー」になることは、
少し、やり方というか 手順が異なります。
「保育ソーシャルワーカー」を職業として成立させるためには、
(職業というのは、報酬を得て、生活をしていくことになります。)
2つの道があります。
① 研究者となり、「保育ソーシャルワーク」を教える。
② 現場で働く。
のどちらかになります。
現場で働くというのは、保育所などに勤務する方法、もしくは市町村に配属という
形になりますが、今は、まだそこまでの状況は出来ていないのが現実です。
仮に②の現場で働くを選択するのであれば、
必ず やらなければならない、決めなければならないものがあります。
それは、「ポジション(立ち位置)」を決めること です。
これを「ポジショニング」と呼びますが、基本は、3つに分けて考えます。
1) 大ポジション
2) 中ポジション
3) 小ポジション
です。
僕の場合だと、
1) 大ポジション: 保育ソーシャルワーカー
2) 中ポジション: メンタルヘルス支援を専門とした保育SW
3) 小ポジション: 子育中の方のメンタルヘルス支援を専門とした保育SW
こういう立ち位置で活動を行っています。
1) の大ポジションでは、職業としては成立しません。
2) の中ポジションでは、その分野についての研修依頼などが生まれます。
3) の小ポジションが決まると、直接的な支援活動を行うことができます。
僕の場合であれば、
保育ソーシャルワーカーですが、所属は、「保育所」にはなく、
精神科医療の方に、活動の拠点があります。
「精神科医療」の領域で、子育て中の医療受診されている方の支援が
メインのワークとなり、そうすると必然的に連携先は、「精神科」領域となります。
この立ち位置から、保育現場を支援するのが 僕の役割であり、ポジションとなります。
もう少し詳しくお伝えすると、保育現場には、5つの方法で入っています。
①スクールソーシャルワーカーとして「保育所」に入る方法
②精神科医療の現場から、クライアントを通じて、お子さんのいる保育所に入る方法
③企業内でのメンタルヘルス相談の中から、社員のお子さんの保育所に入る方法
④メンタルヘルスの相談室を通じて、ご相談にいらした方を通じて保育所に入る方法。
⑤保育ソーシャルワーカーとして提携している園に入る方法(園からの依頼)
この5つの方法で「保育現場」で「ソーシャルワーク」を行っています。
「保育ソーシャルワーク」を研究し、学ぶのであれば
どこかに所属したり、調査したり、論文を書いたりすることが近道かと思います。
もし、直接支援を行う「現場」で活動するのであれば、
まずは、この3つの「ポジショニング」を決めることが先決です。
「誰に」「何を」「どのように」が明確になって初めて
「職業」になる可能性が見えてくるのです。(げんき)