その824)「こころのサイン」と「こころのスイッチ」は、全く反対のものです。

 

 

「こどものこころのサインに気づきましょう」 

 

 

こうした言葉は、保育や教育など、こどもに関する講演や本の中でよく耳にする言葉です。

 

 

「こころのサイン」

 

 

これは、とても大切なものです。

 

 

 

 

 

僕は、もう1つ 研修や保護者との面談の中で お伝えしていることがあります。

 

 

それは、「こころのスイッチを作りましょう」 です。

 

 

 

 

「こころのサイン」と「こころのスイッチ」

 

 

なんだか 似たような感じの言葉ですが、この2つは「全く正反対のもの」です。

 

 

 

 

それは、「起こる前」と「起こった後」 だからです。

 

 

 

 

「サイン」というのは、基本的に「何かが起こった結果 表に現れたもの」です。

 

 

 

「サイン」が出る前には、「出来事」だったり、「感情の変化」があります。

 

 

 

「スイッチ」というのは、「出来事」や「感情の変化」を引き起こす「きっかけ」です。

 

 

「スイッチ」が入ってから、こうしたものは 起こります。

 

 

つまり、「起こる前」のものです。

 

 

 

これをまとめてみると

 

 

「スイッチ」→「出来事」や「感情の変化」→「サイン」 という流れになるのですが、

 

 

 

厳密に言えば、さらに異なる部分があります。

 

 

 

「スイッチ」→「プラスの出来事」や「プラスの感情の変化」

 

 

「マイナスの出来事」や「マイナスの感情の変化」→「サイン」 なのです。

 

 

 

こうして分けてみると わかるのですが、

 

 

「スイッチ」と「サイン」は、つながらないのです。

 

 

 

 

 

僕は、園などに入らせて頂く際に、目を向けているのは、

 

こどもたちの「プラスの感情」や「プラスの行動(積極性)」です。

 

セラピーの場でも同じです。

 

 

 

それを見つけて、それと違和感のない「スイッチ」をつなげていきます。

 

「感情」が「スイッチ」に固定されるようにします。

 

 

これを「アンカーリング」といいます。

 

 

 

「僕の仕事」は「スイッチを作る」こと です。

 

 

 

「プラスの感情」と「プラスの行動」に点火する「スイッチ」を作り出して使ってもらう。

 

 

 

「スイッチ」は、能動的に作るものです。

 

 

でも、「サイン」は他者が作ることができません。

 

 

 

「サイン」とは、自分自身も気づかない 意識しない「表現」だからです。

 

 

 

 

「こころのサインに気づきましょう」

 

 

 

この言葉の本当の意味は、

 

 

「こころのサインに気づかせてあげましょう」です。

 

 

 

 

その子が無意識に表現している「サイン」に気づかせてあげるのです。(げんき)