その829)ソーシャルワークで「つなぐ」と「問題」が「悪化する」こともあるのです。

 

 

 

「ソーシャルワーク」は「つなぐ」技術だ と言われます。

 

 

「ニーズ」にあわせて「社会資源」に「つなぐ」

 

 

教科書などにも、そう書かれています。

 

 

 

 

僕も「保育ソーシャルワーク」の研修の中で、この「つなぐ」についてお話をしていますが、

 

 

その際に、必ず、伝えている『大切なこと』 があります。

 

 

 

 

それは、「つなぐ」と「問題」が「悪化すること」です。

 

 

 

 

誤解を恐れずにお伝えすると

 

 

「問題」がさらに「複雑」になったり、

 

「問題」がさらに「解決困難」になったり、

 

するということ です。

 

 

 

というよりも、その確率の方が 高くなります。

 

 

 

 

 

研修では、保育の場面での「保育ソーシャルワーク事例」をお話しているのですが、

 

保育の現場で、外部の相談機関やソーシャルワーカーが中に入って、「他機関」に「つなぐ」。

 

 

 

そうして「つないだ」後に、その問題が「悪化する」ケースの方が多いのです。

 

 

 

 

理由は、とても簡単です。

 

 

 

それは、「信頼関係」が築けていないから です。

 

 

 

 

保育者と保護者との間にある「信頼関係」と

 

保護者と「相談機関」や「ソーシャルワーカー」との間にある「信頼関係」

 

 

どちらが 強く大きいかを考えると、もちろん「ケース」によっては異なることもありますが、

 

 

多くの場合、

 

「保育者」と「保護者」との間の「信頼関係」や「結びつき」の方が強い

 

のは、わかるかと思います。

 

 

 

それは「日々のつながり」があるから です。

 

 

 

 

「保育ソーシャルワーカー」が現場に入るポイントは、

 

「つなぐ」ことよりも まずは、

 

「保育の現場」と「信頼関係」を築くことが『先』なのです。

 

それは、保護者やこどもたちだけでなく、保育士の先生との関係も含めてです。

 

 

これは、「スクールソーシャルワーカー」も同じです。

 

 

 

 

「専門家」として、自信を持って入っていくことは大切なのですが、

 

 

その「自信」は、時に「信頼関係作り」の「大きな壁」になります。

 

 

 

 

相手に対する「信頼」というのは「専門的知識」や「技術」よりも、

 

 

もっともっと「下の方」に流れているもの なのです。(げんき)