メンタル不調のご相談をお受けする時に、
自分自身のことであれ、他者のことであれ よくあるご相談というのがあります。
それは、「周りの人に満足できない」というご相談です。
ご家族や周囲の方から、「うちの人が」「うちの息子が」とご相談される場合もあれば、
ご本人自らが、「周りの人に満足できないのです」とご相談される場合もあります。
どちらであっても、相談内容は同じような内容になります。
「周りの人に満足できない」
周囲の人は、本当に「無能な人間」ばかりだ。
そう感じています。
文句を言うのにも疲れた、こっちが疲れてイライラしてしまう。
だから、もう放っておく。できれば関わりたくない。
という結論になります。「関係は立ち切る」のです。
そして、もう1つ 別の感情を持っています。
「あの人は、本当に凄い人だ!まさにカリスマだ。」
そうした「特別な尊敬の念」を抱く存在を持っています。
強烈に刺激を受けて、理想化していきます。
「こういう人がいるのに、いったい人間は 有能か無能かだなあ」と感じ、
さらに、この「理想化した存在」と「周囲」を比べることで、
「周囲」をますます「無能だ」と感じ、それは、強烈な「ストレス」になります。
そして、「周囲」を「無能だ」と感じれば感じるほど、
そのカリスマ的な刺激は強くなり「理想的な人」から、刺激を受けすぎてしまうのです。
「極端な感情」を 2つ 持ち合わせていること。
そうした「メンタル面」でのご相談 です。
こうしたご相談を「カウンセリング」的に解決していくのは、大変難しく、現在の状況を確認しながら、その「ギャップ」の大きさによっては、提携している精神科医療機関へのご相談におつなぎすることもよくあります。
こうした相談ケースの際に使うのが「ソーシャルワーク」技術になります。
ただ、間違えてはいけないことは、
「医療機関につなげば、すべて解決するわけではない」ということです。
それは、その方の抱える問題を解決したり、解消したりするための
支援が「プラスワン」されたということであり、こちらの「支援」は継続するからです。
相談機関の役割は、
1)お話を伺いながら、1つ1つを整理していく。
2)他者への「期待」を1つ1つ 見つめ直していく。
3)今後、どうやって相手と接していけばいいのか、1つ1つすり合わせていく。
この「1つ1つをサポートすること」です。
常に、自分の「役割」を明確にし、「他機関」の「役割」を認識しておくこと。
それも大事な「ソーシャルワーク」の視点の1つなのです。(げんき)