「保護者支援」がうまい園は、かなり高い確率で「働きやすい」園である。
これは、僕がこれまでの経験から導き出した結論です。
「保護者支援」と「働きやすさ」は、大いに関係があるからです。
そもそも「働きやすさ」とは 何か?
もちろん、賃金の高さや休みが取れるかどうか そうした点は大きな要素ではあります。
ただ、もっと もっと 深い部分で考えていくと
「自分自身が認められているかどうか」 ということです。
自分の能力を認められ、存在自体を受け入れられて、大切にされている
そう自分自身が、感じることができれば、それはとても「働きやすい」職場になります。
ずっとここで働きたい。やめたくない。 誰でも人は、そう思う ものです。
では、「保護者支援」がうまくいっていると どういうことが起こるのか?
いったい、どんなことが起こるのでしょうか?
こどもたちが元気になる。 保護者の雰囲気が良くなる。
もちろん、そうしたことは起こります。ただ、それは「副産物」にすぎません。
本当に手に入るもの。
それは、
自分の能力を認められ、存在自体を受け入れられて、大切にされている
そう、「自分が認められている」という誇り なのです。
「保護者支援」というと、書籍であれ、なんであれ あらゆるものが、
「保育者」→「保護者」
という図式になっています。
サービスの一環であり、受ける喜びは、すべて「保護者」である。
そういう風に描かれているものが、ほとんど です。
とんでもありません。 逆です。
「保護者支援」で一番成長し、一番の喜びを得るのは、他でもない「先生」です。
図式は、「保護者」→「保育者」 なのです。
「保育者」→「保護者」に見えるものは、
実は、「保護者」⇒⇒⇒「保育者」 なのです。
与えているものの、何倍も 喜びを得ているのです。
「保育者」を成長させるもの。
それは「こどもたち」と「保護者」です。
「保育」というのが、こどもたちの成長のお手伝いをしていると思われがちですが、
こどもたちの「成長」の何倍も、保育者自身が成長しているのです。
人は、自らが成長していると感じる場から 離れることはありません。
人が離れる原因の多くは、「ここでは自分は成長しない」という思いだからです。
そのことを理解している園長先生がいて、園全体で認識している。
そんな園が、「働きにくい園」であるはずがないのです。
「保護者支援」とは、
「保護者に自分は支援されているんだ」という想いのお返しなのです。(げんき)