その860)人は、常に「経験」を求めていると思った方がうまくいくのです。

 

 

「楽しい経験」ばかりがあると、誰でも きっと嬉しいし、しあわせを感じます。

 

「毎日、これが続くといいなあ」 きっとそう思うはずです。

 

 

 

でも、残念ながら、「嫌な経験」や「望まない経験」も 時々 あらわれます。

 

 

自分自身が どんなに注意をしていても、なるべくそうならないよう努力しても

 

時に、そうした「嫌な経験」が起こってしまう。

 

それが、人の「人生」です。

 

 

 

理由は、わかりません。 そして、それを避ける方法もわかりません。

 

でも、そうした「嫌な経験」も「楽しい経験」と同じくらい 経験するものです。

 

 

 

 

「嫌な経験」「望まない経験」をされた方をケアしたり、サポートするためには、

 

どんなことを心がけたらいいでしょうか?」 

 

 

相談支援の研修の中で、質問を頂きました。

 

 

 

 

 

 

「経験」は、消すことができません。

 

なかったことには、できないのです。

 

 

 

「経験」は、上書きすることで、その「経験」を打ち負かすしかないのです。

 

 

「経験」を上書きするためには、「質」のよい経験と「量」が大事になります。

 

 

「経験」には「経験」で対抗するしかないのです。

 

 

 

 

 

問題や不安を抱えている人が望んでいることは、

 

その問題や不安を 一気に、そして完全に打ち消すような「経験」です。

 

 

 

 

では、不安を 一気に解消したり、問題をあっという間に消し去るようなそんな「大きな経験」を

 

すぐに体験することはできるでしょうか?

 

 

 

やはり、それは 難しいものです。

 

 

一気に打ち消すような「大きな経験」を期待するよりも、

 

小さな「質」の良い「経験」を たくさん数多く経験することの方が 現実的なのです。

 

 

 

 

「嫌な経験」や「望まない経験」をされた方

 

「不安」を抱えたり、「問題」を抱えている方

 

 

 

そうした方は、「人を信じられない」「世の中を信じられない」

 

そうした「不信感」をお持ちの方が多くいらっしゃいます

 

 

 

何もかも信じられない。 何を信じていいかわからない。

 

そうした思いです。

 

 

 

そうした方に対して、支援者ができることは、「誠実に対応すること」

 

それだけです。

 

 

 

小さな約束を守り、常に その人に対する想いをもって向きあう。

 

 

そうした1つ1つの対応は、その方にとっての1つ1つの「経験」につながります。

 

そうした経験が積み重なっていくことで、ある日 それは、

 

 

 

もう1度、自分に向き合ってみる 力 となり、

 

人を信じることができるための 勇気 になるのです。

 

 

 

支援者は、支援を「対応」という風に思っています。

 

 

それは、支援者が 勝手に思っていること です。

 

 

 

その方にとって、すべては 1つの「経験」なのです。 (げんき)