その901)「メモする内容」というのは「違和感を感じていること」です。

 

 

「傾聴をする際に、どのような点に注意を向けて聴いたらいいでしょうか?

 

その際に、メモしたりすることは ありますか? 先生是非教えてください。」

 

 

昨日の保育者研修の中で、ご質問を頂きました。

 

 

 

人の話を聴く

 

 

それは、いったい どういう意味があるのでしょうか?

何が目的で、何を聴くのでしょうか?

 

 

 

話の内容、ストーリー、中身 ?

 

それとも その人が感じている想い、気持ち、感情?

 

状況によって様々です。

 

 

 

ただ、「相談支援」では、1つです。

 

 

 

それは、「相手の感情や気持ち」です。

 

 

 

それが最重要な項目であって、出来事や話の内容は補足情報 です。

 

 

 

ただ、「相手の感情や気持ち」といっても、複雑です。

 

話をされる中で、アップ・ダウンもあります。一方的な強い感情があったり、

 

相反する感情があったり、整理されていることは大変少ないものです。

 

 

 

整理されていない気持ちを表現する場が「相談」なので、それはそれでいいのです。

 

 

「感情や気持ち」の中で、さらに

 

正確に聴きとらなければならないもの。

 

 

それは「違和感を感じていること」です。

 

 

 

その人が、感じている「違和感」は、確実に すくい取ることが大切です。

 

 

メモする内容も、もちろん同じ。

 

「相手が違和感を感じていること」です。

 

 

 

 

「あの人、もう少し丁寧にやってくれたらいいんですけど」

 

 

「話が長すぎるんですよ」

 

 

「もう少し優しく説明してくれたらいいと思うのですが、」

 

 

 

話の中に出てくる「相手が感じている違和感」をスルーしないことです。

 

そうした想いは、さらっと流れていきます。

 

こちらが、そうなんだと思った時には、もう次の話の流れで それは消えていきます。

 

 

 

 

「違和感を感じていること」とは「改善ポイント」です。

 

 

 

「相談」というのは、「話全体」のことを指すのではなく、

 

「話」の中にある「改善ポイント」を共有する「場」という意味です。

 

 

「話」を共有するのではないのです。

 

 

そこを勘違いしてしまうと「話」がAさんからBさんに伝わっただけになります。

 

友達同士の雑談や仲間同士の話の場合であれば、それはそれでいいのですが、

 

「相談支援」は意味が違うのです。

 

 

 

 

「聴き上手」とは「違和感を感じる能力」なのです。(げんき)