その903)学童保育は「居場所作り」ともう1つ大事なことがあります。

 

 

先週末に、学童保育指導者研修会がありました。その研修の中で こんな感想を頂きました。

 

 

 

「学童保育の役割は、こどもの居場所作りが大事だと言われており、実際そうですが、

 

ただ、いつも それ以外に何かあると思っていました。ただ ぼんやりしたもので具体的に

 

何かわかりませんでしたが、元気先生のお話で、大事なことが分かり本当に良かったです。」

 

 

という嬉しいご感想でした。

 

 

 

 

 

 

学童保育の役割は「こどもの居場所作り」である。

 

 

確かに、その通りです。

 

 

安全で、安心できる生活の場を作ることが「役割」です。

 

 

 

もちろん、保育所での保育も同じです。

 

「こどもの生活の場を作る」という点では、同じです。

 

 

ただ、「保育所保育」と「学童保育」には、明確な違いがあります。

 

というよりも 大きな違いです。

 

 

 

それは、「成長スピード」 です。

 

 

もちろん、身体もそうですが、何より変化が大きなものは「こころ」です。

 

 

 

 

間違いなく、例外なく まもなく「思春期」がやってきます。

 

いずれ、目の前にいるこどもたちも 確実に大人になっていきます。

 

その「大きな変化」がある その前 だということです。

 

 

 

その時期に何を体験しなければならないのか。

 

「学童期の保育」というのは、一体 何が必要なのか

 

そこを 真剣に考えておく必要があるのです。

 

 

 

もちろん、「居場所作り」は大切です。

 

この時期の「遊び」も「学び」も、絶対に大切なものです。

 

そこに異論は全くありません。

 

 

 

ただ、そこで どんな風に「こころ」が変化していくのか。

 

「こころ」の中に、何が生まれ、何が育っていくのか。

 

 

 

『そこを理解した上』でという「条件付き」での

 

「居場所作り」であり、「遊び」であり「学び」なのです。

 

それが「学童保育」だと僕は考えています。

 

 

 

 

僕が研修でお話をしている内容は、2つのベクトルから伝えています。

 

 

それは、幼児期保育から学童保育に向かっていく「上」へ向かう流れ

 

 

もう1つは、

 

大人のメンタルヘルスから高校生、中学生、小学生へと「下」に下がっていく流れ

 

 

その2つの方向から「学童期の保育」をお話しています。

 

 

 

「幼児期保育」から積み上げていく上で 大切なこと。

 

 

社会人、そして大人として生きていく中で、苦悩したり、人間関係で苦労したり、

 

そうした「大人のメンタルヘルス」にそれが どうつながっていくのか、

 

「未来・将来」から見た上で、築きあげていく 大切なこと。

 

 

その2つをお話しています。

 

 

働く大人のメンタル不調やハラスメントなどの問題。

 

学童期や思春期のいじめやこどものメンタルヘルスの問題。

 

 

そうしたものは、立ち止まった時には、すでに原型ができあがっています。

 

 

すごいスピードで走っている間には、気づくことはありません。

 

ただ、走っていたものが、ピタっと止まった瞬間。

 

 

立ち止まった瞬間に「できあがっていること」に気づくのです。

 

 

周囲も自分自身も「気づいてしまう」のです。

 

 

 

「急激な成長」の不思議なところは、

 

「止まって見える」「いつもと変わらない」ように見えるという点です。

 

 

 

 

「変わらない」というのは「変わっている」ということなのです。(げんき)