その906)「保育ソーシャルワーク」の3つのパターンをご紹介します。

 

 

ここ、半年くらいの間で、「保育ソーシャルワーク」についてのご質問やお問合せが本当に増えてきました。 

 

園や市町村からのお問合せだけでなく、学生の方や現在現場から離れている保育士の先生からも相談のメールを頂いたり、直接面談してご相談を伺ったり、研修出張の合間を縫って、全国各地で「ご相談会」も行っています。

 

出張先の帰りの羽田空港では、ほぼ毎回 2名ずつ面談を行っています。

 

 

 

 

ひとえに「保育ソーシャルワーク」といっても 3つのパターンがあります。

 

 

① 保育士をサポートする「保育ソーシャルワーク」

 

② 保護者をサポートする「保育ソーシャルワーク」

 

③ こどもをサポートする「保育ソーシャルワーク」

 

 

簡単に分類すると この3つです。

 

① 保育士をサポートする「保育ソーシャルワーク」

 

この相談支援の対象は、保育士の先生です。

 

もちろん、その中には園長先生や管理職の先生、その他の専門職の先生も含まれます。

 

 

一番 重要な役割は「保護者と保育士」「保護者と園」との信頼関係強化をサポートする。

 

それが役割です。基本的には裏方としての存在のため、保護者との面談などを行うことはなく、あくまでも 安心できる保育を支えるために行う「ソーシャルワーク」です。

 

 

②  保護者をサポートする「保育ソーシャルワーク」

 

この相談支援の対象は、保護者の方になります。

 

もちろん、現在通園児の保護者がメインとなりますが、こどもを預ける前の保護者、地域の保護者など 対象は大きく広がります。

 

 

一番重要な役割は、「保護者の代弁機能」です。

 

保護者が直接伝えることができない「想い」や「不安」の解消。実際の昼間の保育に対する不安の解消や園や

 

保育者には相談できない内容の「相談」(連絡帳の内容)など。

 

様々です。「保護者」を対象としたアンケートを実施し、ソーシャルワーカーのみで、集計結果を出し、それを保護者や園に報告をしながら、双方の間に入ります。

 

ただし、あくまでも「保護者」の立場を尊重しながら対応することが大切です。

 

 

③ こどもをサポートする「保育ソーシャルワーク」

 

この相談支援の対象は「こどもたち」になります。

 

もちろん、こどもが直接相談に来ることはないため、関わる大人からの相談になります。

 

 

家庭での虐待の疑いがあれば、相談支援の対象は、保育士の先生となり、

 

園の暴力や虐待の疑いがあれば、相談支援の対象は、保護者となります。

 

 

ここで行う「保育ソーシャルワーク」は、メンタルヘルス要素が非常に強くなり、

 

専門的な研修や経験が必要です。またハラスメント、DVなど 様々な専門知識も必要となります。 

 

僕が行っているのが この「保育ソーシャルワーク」です。

 

 


 

①だけ、②だけ、 ①+③、②+③、すべて

 

形や契約体系は 実際 の契約主体によって様々ですが、基本はこの3パターンです。

 

 

 

「保育ソーシャルワーク」を目指される方への研修というのは、この3パターンの具体的な実践方法や内容、

ツールの使い方になりますが、

 

 

もっとも 一番 皆さんが心配される「本当の悩み」というのは、

 

「雇用先(働く場)」があるのかどうか という点です。

 

 

 

もちろん、「ボランティアで入ります。報酬は、なくても構いませんよ。」

 

それであれば、地域の園から ものすごい数のご依頼が殺到します。

 

でも、それであれば 続きません。

 

 

 

そうした悩みを持っている時に、一番 考えなければならないのが、

 

 

 

いったい、自分自身は「保育ソーシャルワーカー」という看板を背負って、

 

どのように、保育の世界で貢献したいのか、どんな問題を解決するサポートがしたいのか

 

自分の「テーマ」を「1つ」に絞り込むこと(専門領域を決めること)が大切なのです。

 

その点が、「医療」や「介護」現場のソーシャルワークとの大きな違いになります。

 

「なんでもご相談にのります」では、うまくいかなくなるのです。

 

 

「保育現場での●●に特化したソーシャルワーカー」になるのです。(げんき)