その976)「どうしたらええですか」には「そんなん知らんがなあ」と答える

 

 

オンライン面談で、関西の「ソーシャルワーカー」の方とお話をしていた際に、

 

こんなご相談がありました。

 

 

「よく面談の時にですね、先生 どうしたらええですか、っていわはるんです。

 

そんなん知らんがなあと言うてしまう時があります。先生ならどうですか?」

 

 

と こんな感じで お話いただきました。

 

 

 

僕も大学時代は、京都に住んでいたので、関西弁は、心地よいものです。

 

「関西弁」リスペクト です!

 

 

 

「どうしたらええですか?」の質問に

 

「そんなん知らんがなあ」で答える。

 

 

 

みなさんなら、どう思いますか?

 

 

そんな回答、支援者じゃない?

 

相談者に対して 失礼じゃないですか。

 

そんな答えなら 2度と相談に行きません。

 

 

そんな 答えが返ってきそうです。

 

 

 

でも、これは、ある意味 正しい「返答」の仕方 です。

 

 

 

 

どんな相談の場面でも「どうしたらいいですか?」と質問されることはよくあります。

 

 

 

「こうしようと思うのですが、どう思いますか」であれば

 

こちらも 答えやすいのですが、なかなか そうした方は少なく、

 

 

ほとんどの場合、「どうしたらいいですか?」と

 

支援者に「答え」を求めてくることが多いのでは ないでしょうか?

 

 

 

 

その時に 『一番重要なこと』。

 

それは 「知らない」ということを相手に伝えること です。

 

 

 

 

相手に正しく伝えなければならないのは、

 

「答えは あなたの中にしか ない」ということです。

 

「答え」は「こちら」にはないのです。

 

 

 

 

「どうしたらいいですか?」に対して

 

「はい。その時はですね、こうした形で、」と返事をするのは、

 

「技術面・テクニック」についての「質問」のみ です。

 

 

 

「これって、どう切ったらいいですか」 

 

「はい、その時はですね、こうして」や、

 

 

「相手が左に回ったらどうしたらいいですか?」

 

「はい、その時は、こちらを」のような

 

「技術指導」の「場合」のみ です。

 

 

 

「考え」て、その「動作」をマネル場合には、まず「やり方」を教えます。

 

その「やり方」を自分のものにすることの方が難しいので、

 

まずは「答え」を教えて、それから「実践」です。

 

 

 

 

通常の「相談支援」の場合でも「技術面」の質問があれば、

 

回答方法は、すべてこの方法を取ります。

 

 

ただ、それ以外は、すべて「そんなん 知らんがなあ」です。

 

 

 

 

ただ、少しだけ「表現」は変えますが。

 

 

 

 

「どうしたらいいですか」に対しての答え方は、

 

「どういう方法がいいかは、私にもわかりませんが、」を

 

 

まず 最初に確実に 伝えることが大切です。

 

 

 

 

「どうしたらいいですか」という質問の「無意識」の中にあるのは、

 

 

「私の思いは、誰にもわからない」という「思い」 です。

 

 

 

「どうしたらいいですか」の後ろには、

 

「どうしたらいいですか(私の思いは、誰にもわからない)」が隠れているからです。

 

 

そこで「持論」を解説しはじめると

 

「話」を聞きながら、「冷静」になっていきます。

 

言葉の通り、「冷めていく(さめて)」のです。

 

 

 

 

だから、最初に「私にもわかりませんが」を確実に伝えることで、

 

(私の思いは、誰にもわからない)を満たしてあげることが大切です。

 

 

 

その上で、

 

「どういう方法がいいかは、私にもわかりませんが」

 

「●●さんの思いと近い方法があったら教えてもらっていいですか」とお伝えしてから、

 

「こんな時は、こうしたらいいかなと思うのですが、どうですか?」と聞き返します。

 

 

 

そうすると「あなたのアドバイス」は、相手には伝わりやすくなります。

 

 

なぜなら「自分の思い」に近いかどうかを判断するだけでいいから です。

 

 

 

 

そうやって「アドバイス」をしていくと相手は「覚めていく」のです。

 

「冷めていく(さめて)」のではありません。

 

「覚めていく(さめて)」のです。

 

 

 

 

「アドバイス」というのは、相手を「目覚めさせる」ものです。

 

 

 

 

「相談」とは「答えを教えて欲しい」のではありません。

 

「自分自身」を「目覚めさせて欲しい」のです。(げんき)