その984)「なぜ?」という質問は相手に「防衛反応」を起こさせるのです。

 

 

相談支援や「相談」を業とする方

 

相談支援員の方やソーシャルワーカーの方は、

 

 

「相談経験」はあったとしても、「相談場面を見た経験」は案外少ないものです。

 

 

 

「他の人の相談場面を見たことがありますか?」と質問すると

 

「1回も見たことがない方」は、かなりの数いらっしゃいます。

 

 

 

まず、立ち会わなければ見ることができません。

 

もちろん、録画したり、ロープレでの「仮想」であれば 可能ですが、

 

「リアル場面」は、ほとんどないと思います。

 

 

 

 

僕も スタッフや指導している「ソーシャルワーカー」の「相談場面」を

 

 

見たことはそんなにありません。

 

もちろん、見たことは ありますが。

 

 

 

 

 

でも、たとえ見たことがなくても、だいたいの「想像」はできます。

 

 

 

それは「日頃」の「ことば」から わかるのです。

 

 

 

 

 

日頃から

 

「なんで、これ、こんな風になってるの?」

 

「なぜ、こっちにしないの?」

 

「なんでやねん、これ」

 

 

 

のように 使っている「なぜ」 という言葉があります。

 

 

 

 

 

これを「モノ」や「仕組み」「流れ」などに対して

 

使っているのであれば、特に問題はないのですが、

 

 

 

 

「人」に対して使っている方は、「注意」が必要です。

 

 

 

「なぜ、この人、これから先にやらないの?」

 

「なぜ、この人、もう少し空気読めないの?」

 

 

というように 「人」に対して「なぜ」を多く使っている人は、

 

 

「無意識」のうちに、「面談の場」で「なぜ」を使っているから です。

 

 

 

 

「人」に対して「なぜ」を使うと

 

 

多くの場合、相手は「防衛反応」を起こし始めます。

 

 

もちろん、その「防衛反応」には 程度はあります。

 

人によっての「差」は、もちろんあります。

 

 

 

ただ、ほとんど誰でもみんな 必ず起こるものです。

 

 

 

「あなた」と「なぜ」の組み合わせは、

 

相手を追い詰める「最強セット」だからです。

 

 

決して「ハッピー・セット」ではないのです。

 

 

 

 

「あなた」「なぜ」?

 

 

「おまえ」「なんで」?

 

 

この「言葉」が「耳」から「音声」と入った瞬間に

 

「無意識」に「過去の膨大な情報」の中から それにあった「感情」を引き出すのが

 

「脳」の仕事です。

 

 

 

 

「あなた」と「なぜ」の組み合わせを使えば

 

「傾聴」しても「受容的な態度」をとったとしても

 

その「傾聴」と「受容」は、「受け入れられた」とは捉えられず、

 

 

逆に、

 

「何かを探されている」

 

「あらを探している」

 

「詮索されている」

 

 

という「メッセージ」につながってしまうのです。

 

 

 

 

「相談」の場で使わなければならないのは、

 

 

「なぜ」ではなく、「なに」です。

 

 

 

 

「あなた」と「なに」という「セット」は、

 

 

「あなたに興味があります」という「最強メッセージ」です。

 

 

これこそ「ハッピー・セット」なのです。

 

 

 

 

「相談支援」も「ソーシャルワーク」も

 

どんなに「難しい理論」を学んだとしても、

 

 

最終的には、その人の持っている「気質」が表れます。

 

 

 

だから「ソーシャルワーク」では、

 

最初に「自己覚知」を学ぶのです。(げんき)