前回のブログ記事でお伝えしたように、
保育士が現場を離れる背景には
「こころの限界」があります。
では、園として何ができるのでしょうか。
大きな制度改革でなくても、
日々の関わりの中で変えられることがあります。
今回は、明日から実践できる5つのポイントをお伝えします。
①「感情を言葉にしていい」場を作る
多くの保育士は、感情を抑えることに慣れています。
だからこそ意図的に
「気持ちを話していい時間」をつくることが重要です。
例えば
・週1回のミーティングで「最近しんどかったこと」を一言ずつ共有
・アドバイス禁止、ただ聞くだけの時間
ここで大切なのは
解決ではなく「共感」
「それは大変だったね」
この一言が、こころを守ります。
②「弱音OK」の空気を、園長がつくる
現場の空気は、トップで決まります。
園長先生が
・弱音を否定しない
・むしろ受け止める
・時には自分の弱さも見せる
これだけで
「ここでは無理しなくていいんだ」
という安心感が生まれます。
逆に
「それくらい普通」
「みんな頑張ってるよ」
この言葉は、無意識に心を閉じさせます。
③「頑張り」ではなく「状態」を見る
これまでの評価は
・どれだけ動いたか
・どれだけできたか
になりがちでした。
しかしこれからは
「その人の状態」に目を向けること
・最近、表情が硬い
・余裕がなさそう
・言葉数が減っている
こうした変化に気づけるかどうかが、分かれ道です。
④「休むこと」を肯定する
休むことに対して
・申し訳ない
・迷惑をかける
という空気があると、限界まで我慢してしまいます。
だからこそ
休むことを「前提」にする文化
・「無理なときは休む」と明言
・休んだ人を責めない
・戻ってきたときに温かく迎える
これだけで、離職のリスクは大きく下がります。
⑤「一人にしない」仕組みをつくる
保育士が一番つらくなるのは
「孤立しているとき」です。
だからこそ
・ペア制や相談しやすい関係づくり
・「いつでも話してね」と伝える
・定期的な1対1の対話時間
を意識的に設けることが大切です。
■大切なのは「特別なこと」ではない
ここまで読んでいただくと
「どれも当たり前のこと」
と感じるかもしれません。
その通りです。
しかし
「当たり前のことができていない」現場が多い
これが現実なのです。
■保育の質は「大人の状態」で決まる
こどもに優しく関わるためには、
まず大人に余白が必要です。
余白がなければ
・イライラしやすくなる
・共感が難しくなる
・関係性が崩れやすくなる
これは能力ではなく、自然な反応です。
■最後に
保育士を増やすことも大切です。
待遇を改善することも重要です。
しかしそれと同じくらい
「ここで働いても大丈夫」と思える環境づくり
が必要です。
こころが整った状態で働けること。
それが、結果として
・離職を防ぎ
・保育の質を高め
・こどもにとっても安心できる場になる
僕は、そう信じています。(げんき)
【執筆者プロフィール】
岸本 元気|感情開放療法セラピスト
(保育士・精神保健福祉士)
「感情のブロック」を解き放つ「感情開放のスペシャリスト」
福岡にある、相談支援機関「親と子のメンタルヘルス研究所」所長。
メンタル不調を抱える保護者や保育者に特化した感情開放療法セラピストとして活動。不安を開放するだけでなく「人生そのもの」を大きく前進させることを目的とした「人生の流れを変える感情のスペシャリスト」。年間120本を超える全国での講演・研修は、エンターテイメントで培った「こころに響くことば」と、専門職としての「確かな知見」が融合した唯一無二の内容として知られる。 詳しいプロフィールは、こちら
