【誰でも通園制度】「こども誰でも通園制度で基本的信頼は育つのか?乳幼児期の発達と安心の関係を解説」

【このページの3行要約】

 

① 基本的信頼感の土台作り: 乳幼児期に「困ったときに助けてもらえる」という安心感を積み重ねることは、将来の自己肯定感や他者への信頼に直結する。

② 「誰でも通園制度」でのアタッチメント: 定期利用ではない環境でも、保育者がこどものサインに敏感に応答することで、家庭以外での「安全基地」を築くことができる。

 保護者の心の余裕が子どもに伝播する: 制度利用で保護者がリフレッシュし、笑顔でこどもに接する時間が増えることが、結果として親子の愛着形成をより強固にする。

 

誰でも通園制度の利便性だけでなく、こどもの発達心理の面からもその意義を深く捉えた内容になっています。

 

「誰でも通園」で基本的信頼は育つのか?

〜制度が変わる今、いちばん大切にしたいこと〜

 

 

2026年、「こども誰でも通園制度」がスタートします。

 

これまでのように、
毎日同じ園に通うとは限らない。
毎回同じ先生と関わるとも限らない。

 

そんな時代が、いよいよ始まります。

 

その中で、多くの保護者や先生が感じているのが、この不安です。

 

「こんな関わり方で、こどもの心は大丈夫なのか?」


「基本的信頼はちゃんと育つのか?」

 

■そもそも「基本的信頼」とは何か

 

基本的信頼」とは、


 心理学者の エリク・エリクソン が提唱した概念で、

 

「この世界は安心できる場所だ」
「人は信じても大丈夫だ」

 

という「人生の土台になる感覚」のことです。

 

これは主に、乳幼児期の関わりの中で育つと言われています。

 

だからこそ、

 

・関わる大人がバラバラになる
・関係が継続しにくい
・関わる時間が短い

 

こうした変化に対して、不安を感じるのはとても自然なことです。

 

 

■結論:基本的信頼は「育ちます」

 

誰でも通園制度の中でも、


基本的信頼は、ちゃんと育ちます。

 

ただし、「関わり方次第で」です

 

■こどもが安心を感じる仕組み

 

ここで少しだけ、脳の話を。

 

こどもは、新しい環境や初めての人に出会うと、まず「不安」を感じます。

 

これは、脳の中の「危険センサー」のような働きをする部分、
いわゆる「扁桃体」が反応している状態です。

 

つまり、

● 泣く
● 固まる
● 親から離れられない

 

 

これらはすべて、

 

「この環境をちゃんと確かめようとしている反応」です。

 

決して「ダメな状態」ではありません。

 

 

 

■信頼は「時間」ではなく「体験」で決まる

 

ここで、多くの人が誤解していることがあります。

 

それは「長く一緒にいれば信頼が育つ」という考えです。

 

 

 

もちろん時間も大切です。


でも、それ以上に大切なのは

 

● どんな関わりをされたか
● どんな気持ちを感じたか です。

 

 

たとえば、

 

・名前を呼ばれて、目を見て微笑まれた
・泣いたときに、すぐに気づいてもらえた
・怖いときに、安心させてもらえた

 

こうした体験が積み重なることで、

こどもの中に、

 

「ここは大丈夫」


という感覚が生まれていきます。

 

 

■「毎回違う先生」でも大丈夫な理由

 

「先生が毎回違ったら、信頼は育たないのでは?」

 

そう感じる方も多いと思います。

 

 

でも実は、こどもが見ているのは、

 

「人そのもの」よりも

 

「関わりの一貫性」です。

 

 

・どの先生も優しく受け止めてくれる
・困ったときに助けてくれる
・同じように安心させてくれる

 

 

こうした「関わりの質」がそろっていれば、

 

こどもは「ここにいる大人たちは大丈夫」

 

感じることができます。

 

 

■だからこそ大切にしたい「ことばがけ」

 

誰でも通園制度の中で、
いちばん大きな鍵になるのは最初の関わり」です。

 

 

・はじめて出会う子どもに、どう声をかけるか
・不安そうな表情に、どう寄り添うか
・泣いている子に、どんな言葉を届けるか

 

この「最初の数分」が、

 

その日の安心を決めます。

 

 

そしてその積み重ねが、

 

やがて「基本的信頼」へとつながっていきます。

 

 

■制度が変わっても、変わらないもの

 

制度は変わります。

 

関わり方も、きっと変わっていきます。

 

 

でも、こどものこころの育ち方は、変わりません。

 

 

こどもは、

 

「安心できた体験」を通して、


人を信じる力を育てていきます。

 

 

 

だからこそ大切なのは、

特別なことではなく、

 

● 目を見て関わること
● 気持ちに気づくこと
● 安心させること

 

この「あたりまえ」を、丁寧に積み重ねることです。

 

 

■最後に

 

「誰でも通園制度」は、たしかに新しい挑戦です。

 

 

でも同時に、

 

「関わりの質」がより問われる時代の始まりでもあります。

 

 

どれだけ一緒にいたかではなく、

 

どんなふうに一緒にいたか。

 

 

ここに目を向けることができたとき、

 

こどもたちの中には、ちゃんと

 

「この世界は大丈夫」

 

という感覚が育っていきます。

 

 

 

大人になったみなさんへ

 

あなたは、「この世界を大丈夫」と思っていますか?

 

「この世界を信頼していますか?」

 

(げんき)

 

 

 


【執筆者プロフィール】

 

岸本  元気感情開放療法セラピスト

保育士・精神保健福祉士)

 

感情のブロック」を解き放つ「感情開放のスペシャリスト」

 

福岡にある、相談支援機関「親と子のメンタルヘルス研究所」所長。

メンタル不調を抱える保護者や保育者に特化した感情開放療法セラピストとして活動。不安を開放するだけでなく「人生そのもの」を大きく前進させることを目的とした「人生の流れを変える感情のスペシャリスト」。年間120本を超える全国での講演・研修は、エンターテイメントで培った「こころに響くことば」と、専門職としての「確かな知見」が融合した唯一無二の内容として知られる。 詳しいプロフィールは、こちら