【このページの3行要約】誰でも通園制度の短時間利用の保護者へのことばがけ
① 「全体」ではなく「個」を見る: 「みんなと仲良くしていました」という抽象的な表現を避け、その子だけの具体的な行動(何に興味を持ち、どう笑ったか)を伝える。
② 不安を先回りして解消する: 定期利用ではない保護者が抱きがちな「放置されていないか」という疑念に対し、職員間の情報共有や観察眼を言葉にして示す。
③ ポジティブな変化を「宝物」として届ける: 些細な「初めて」や「できた」を見逃さずに伝えることで、保護者の心のゆとりを生み、クレームの発生しにくい信頼関係を構築する。
誰でも通園制度が始まり、
保護者との関わり方に悩む先生が増えています。
特に多いのが、この場面です。
「今日どうでしたか?」
この一言に、うまく答えられず
●「特に問題なかったです」
●「いつも通りでした」
と返してしまう…。
でも実はこの一言が、
「ちゃんと見てもらえてるのかな?」
という不安につながってしまうことがあります。
■なぜ「伝え方」で印象が変わるのか?
保護者が見ているのは、
保育の「事実」だけではありません。
「どう伝えられたか」=安心感 です。
同じ1日でも、
●伝え方があいまい → 不安になる
●具体的に伝える → 安心する
つまり、
伝え方ひとつで「信頼」にも「クレーム」にもなる
ということです。
■NGな伝え方(やってしまいがち)
まずはよくある例です。
●「今日は特に問題なかったです」
●「元気に過ごしていました」
●「いつも通りでした」
一見、問題なさそうですよね。
でも保護者からすると…
「で、何してたの?」
「うちの子の様子は?」
と、イメージできないんです。
■安心される「伝え方」のコツ
「ポイント」はとてもシンプルです
「様子+感情+エピソード」
■具体例
❌ NG
「今日は元気に過ごしていました」
↓
⭕ OK
「今日はブロック遊びに夢中で、すごく集中していました。
完成したときに「できた!」って嬉しそうにしていましたよ」
❌ NG
「問題なかったです」
↓
⭕ OK
「最初は少し不安そうでしたが、
お友だちと遊び始めると自然に笑顔が増えていました」
これだけで伝わるものが変わります
●「何をしていたか」がわかる(様子)
●「どんな気持ちだったか」が伝わる(感情)
●「先生が見ていた」ことが伝わる(エピソード)
■忙しくてもできるコツ
「でも全員にそこまで伝えるのは大変…」
そう思いますよね。
大丈夫です!
① 1人「1フレーズ」でいい
完璧に話そうとしなくてOK
「印象に残った1シーンだけ」で十分です
② 全員やろうとしない
毎日全員じゃなくていい
気になる子、印象に残った子からでOK
③ 「見つけよう」としない
自然に「目に入った瞬間」を拾う
これだけで負担はグッと減ります
■クレームを防ぐ本当のポイント
クレームは、
「何か問題があったから」ではなく
「気にかけてもらえていないと感じたとき」
に起きやすいです。
だからこそ大切なのは、
「 完璧な報告」ではなく、「関心のサイン」
■おわりに
保護者が本当に求めているのは、
「詳しい報告」ではなく
「うちの子を大切に見てくれている」という実感です。
その実感は、
ほんの一言で伝わります。
「今日は○○していましたよ」
「こんな姿が印象的でした」
この一言が、
「安心」になり
「信頼」になり
「クレーム」を防ぎます
制度が変わっても、
時間がなくても、
「伝え方」は今日から変えられる
ここが、保育士の大きな力です。(げんき)
【執筆者プロフィール】
岸本 元気|感情開放療法セラピスト
(保育士・精神保健福祉士)
「感情のブロック」を解き放つ「感情開放のスペシャリスト」
福岡にある、相談支援機関「親と子のメンタルヘルス研究所」所長。
メンタル不調を抱える保護者や保育者に特化した感情開放療法セラピストとして活動。不安を開放するだけでなく「人生そのもの」を大きく前進させることを目的とした「人生の流れを変える感情のスペシャリスト」。年間120本を超える全国での講演・研修は、エンターテイメントで培った「こころに響くことば」と、専門職としての「確かな知見」が融合した唯一無二の内容として知られる。 詳しいプロフィールは、こちら
