「問題行動の答えは、行動の前後に隠れています。」
保育をしていると、
「どうして、この子は押したんだろう…」
「なぜ急に泣き出したんだろう…」
そんな場面に出会うことがあります。
僕も園長先生や保育士の先生から、このようなご相談をたくさんいただきます。
その時、「問題行動」だけを見ないようにしています。
僕が大切にしているのは、
「行動の前後を見ること」です。
●僕がいつも先生にお聞きする4つのこと
① 問題行動の前に何が起こりましたか?
どんな出来事があったのでしょう。
誰かが近づいたのでしょうか。
大きな音がしたのでしょうか。
眠かったのでしょうか。
こどもの行動には、
必ず何らかの「きっかけ(スイッチ)」があります。
② こどもは「どんな行動」で表現しましたか?(対処行動)
「押した」
「噛んだ」
「泣いた」
「走り回った」
僕たちは、これを「問題行動」と呼びます。
でもこの行動の多くは、
「困っていることを伝えるサイン」です。
③ その時、先生は何を感じましたか?(先生が思ったこと)
実は、
この質問が重要なキーワードになります。
「また押してしまった…」
「止められなかった…」
「お友達がケガをしたらどうしよう…」
先生のこころには、
たくさんの不安な思いが浮かびます。
そして、
その不安な思いは言葉にしなくても、
表情や声のトーン、距離感、空気感などの
「非言語サイン」となって、
こどもに必ず伝わっています。
こどもの扁桃体は確実に
その「非言語サイン」を読み取っています。
だから僕は、先生のこころの動きを
もっとも重要な判断材料としています。
④ 最後は、
「どうすれば安心を一つ増やせるか」(対応)
「押さないようにする。」
ではなく、
「安心できる環境を一つ増やしてみる。」
そんな視点です。
例えば、
少し距離を取って遊べるようにする。
先生が先に声をかける。
安心できる居場所を作る。
ほんの小さな工夫でも構いません。
こどもは安心を積み重ねることで、
少しずつ落ち着いていきます。
こどもを変えるのではなく、
安心を整える。
こどもの行動には、
必ず理由があります。
その理由が
すぐに分からないこともあります。
でも、
「この子には、きっと理由がある。」
そう信じて見つめ続けることが、
こどもにとって一番の安心になります。
「問題行動」を
なくそうとするのではなく、
その子が安心して過ごせる時間を
少しずつ増やしていく。
それが、僕たち大人にできる
「一番重要な支援」
なのです。(げんき)
【執筆者プロフィール】
岸本 元気|感情開放療法セラピスト
(保育士・精神保健福祉士)
「感情のブロック」を解き放つ「感情開放のスペシャリスト」
福岡にある、相談支援機関「親と子のメンタルヘルス研究所」所長。
メンタル不調を抱える保護者や保育者に特化した感情開放療法セラピストとして活動。不安を開放するだけでなく「人生そのもの」を大きく前進させることを目的とした「人生の流れを変える感情のスペシャリスト」。年間120本を超える全国での講演・研修は、エンターテイメントで培った「こころに響くことば」と、専門職としての「確かな知見」が融合した唯一無二の内容として知られる。 詳しいプロフィールは、こちら
